この記事では共通テストの古文について詳しく解説したのちに具体的な勉強法について解説します。この記事を読めばなぜ多くの受験生が共通テストの古文が難しい感じるのか、そしてどうやったら共通テストの古文で点数を取れるようになるのかを理解することが出来ます。
少し長いですがぜひ最後まで読んでもらえると嬉しいです。
この記事を読んで欲しい人
- 古文の勉強を今から始める方
- 受験が近づいてきているのに古文の対策が出来ていない方
- 古文が苦手でどうやって勉強したらいいかわからない方
共通テストの古文が難しいと言われる理由
1.現代文との違いが大きい
共通テストの古文は多くの学生にとって難しいと感じる科目です。古文と現代文の違いとして、古文では現代では使われない単語がたくさん出てくるため、古文単語をしっかりと覚える必要があります。また、古文には現代文にはない文法が多く、助動詞や助詞の使い方、動詞の活用形などを理解する必要があります。
2.背景知識を知らないと理解できないことが多い
背景知識の不足も難しさの一因です。古文は昔の日本の文化や風習を反映しており、現代の生活とは違うため、その背景を理解しないと内容がわかりにくくなります。また、古文の文章は当時の価値観や考え方に基づいて書かれており、これを理解するには作者の意図や目的を考える力が必要です。
3.文法や表現の複雑さ
さらに、古文の文章は現代の文章に比べて複雑な構造を持っており、主語や述語が省略されることも多いため、文章全体の流れを把握するのが難しいです。独特の比喩や表現も多く使われており、これを理解するには深い読解力が求められます。
4.センター試験と比べて過去問の少ない
さらに、共通テストは比較的新しい試験形式のため、過去問の数が限られており、従来のセンター試験とは違う部分があるため、特有の対策が必要です。古文は単に覚えるだけでなく、実際に問題を解く練習が非常に重要であり、理解した知識を活用する訓練が必要です。
共通テストの古文はこれらの要素が組み合わさって難易度が高いと感じられますが、しっかりとした対策と練習を積めば、得点を伸ばすことは十分可能です。
以下でこの対策と練習の方法を細かく解説します。
共通テストの古文で8割を取るための勉強法!
- ① 最初に古文の全体像をつかもう
- ② 古文単語の暗記
- ③古典文法の習得
- ④ 読解問題集のやりこみ
- ⑤ 長文問題集のやりこみ
- ⑥ 過去問・予想問題のやりこみ
① 最初に古文の全体像をつかもう
どの教科でもいえることですが、まず最初にやるべきことは全体像の把握です。どんなことをどの程度、どんな参考書で学ぶ必要があるのかを最初に確認しておきましょう。何をすべきか考えよう。
古文で「基礎知識」と呼ばれるものは大きく分けて「単語」と「文法」の2つです。この2つの習得こそが古典の得点を上げる最初の一歩です。それぞれ覚えるべきことはどれくらいあるのでしょうか。
単語は300-400語
古文単語の場合、一般的に共通テストレベルの単語数は300-400程度といわれています。そのため、それくらいの単語が収録された単語帳を使う必要があります。『読んで見て覚える古文単語315』(桐原書店)や『古文単語330 いろはにほへと』(いいずな書店)などが癖がなく、人を選ばない単語帳なのでオススメです。
現役生であれば学校で配布される教材を使って進めても問題ありません。「何を使うか」ではなく「どう覚えるかが」肝心です。そしてその「どう覚えるか」も後ほどご紹介します。
文法は大きく分けて5項目
文法で学ぶことは大きく分けると「用言の活用」「音便」「助動詞」「助詞」「敬語」の5つがあります。
「用言」とは動詞・形容詞・形容動詞の3つであり、これらはそれぞれ決まった活用規則があります。例えば、動詞なら「四段活用」「上一段活用」「上二段活用」「下一段活用」「下二段活用」「カ行変格活用」「サ行変格活用」「ナ行変格活用」「ラ行変格活用」の9種類があり、それぞれ未然形・連用形・終止形・連体形・已然形・命令形でどのように語尾が変わるかを覚えておく必要があります。
「音便」とは特定の場合に本来と異なる発音や表記がされる現象です。「イ音便」「ウ音便」「撥音便」「促音便」の4種類があります。
「助動詞」とは主に動詞の後ろについて特定の意味を付与する言葉です。英語でも”can”や”may”、”should”などがありますね。古文で学ぶ助動詞は英語より多く、なんと28種類も存在します。これらについて、意味と活用と接続(上の動詞の活用形は何か)などを覚えなければいけません。これらは入試で必ず出ると言っていいほど重要な知識です。助動詞の学習が古文の文法においては一番大きな山となります。
助詞とはいろいろなところについて特定の意味を付与する付属語です。助動詞と違い活用はありません。主な助詞は55個もあり、覚えるのが大変な上に助動詞ほど出題されないのでおろそかにしてしまう人も多いかもしれませんが、確実に共通テストで8割取ろうと思ったら避けては通れない学習です。とはいえ、入試に出るのは決まったポイントが多いですから参考書にしたがって重要な箇所を覚えるようにしましょう。
敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類があり、基本的なルールはあまり現代文と変わりません。しかし、敬語の用法を持つ動詞が30個ほどありそれぞれの意味を理解する必要があります。なので、敬語学習は文法面だけでなく、単語の面からもアプローチするといいでしょう。
以上が古文で必要な「基礎知識」の全体像です。まずはこれらを覚えることに専念し、その後、長文問題演習を通して基礎知識の使い方を会得しましょう。
② 古文単語の暗記
自分のやるべきことを確認したら本格的に勉強をスタートしましょう。まず最初にやるべきことは単語と文法の暗記です。この2つは並行で進めるようにしましょう。
多義語はイメージをつかむことが大切
古文単語を覚えるときのコツは「単語のイメージを理解する」ことです。単語帳に乗っている単語の意味は1周目から複数覚えられるようにしましょう。そのほうが効率よく覚えることができます。これはなぜかというと古文単語は同じ単語が全く逆の意味を持つことがあるからです。
例えば「いみじ」という単語は素晴らしいというプラスの意味とひどいというマイナスの意味の2つがあります。今風に言うと「やばい」みたいな単語ですね。この単語の持つ根本的なイメージは「程度がおおきいこと」です。このイメージを持っていれば上記の3つの意味もすんなり理解できるのではないでしょうか。
英単語のように1語1訳を最初に覚えてしまうと思わぬところで足をすくわれてしまうのが古文単語です。「読んでみて覚える古文単語315」や「古文単語315」であれば「キーポイント」という単語のイメージの解説が各単語に載っています。なのでそちらを必ず確認しましょう。また、漢字で覚えるのも1つの手です。
アウトプットの回数を稼ぐ
これは古文単語だけの話ではないですが、覚えられるまで何回も赤シートで隠してセルフテストを行うようにしましょう。回数を重ねることとテストという形でアウトプットをすることが暗記においては何よりも大切です。
③古典文法の習得
単語の暗記と並行して進めなければならないのが文法事項の習得です。先の方で説明した用言の活用、助動詞、助詞、音便、敬語などを覚える段階に入りましょう。
ただ説明を読むだけではなく演習問題とセットでこなす
このとき意識してほしいことは参考書を読むだけでなく何回も繰り返して問題を解くことです。古文だけでなく、全ての勉強に当てはまることですが参考書を読み込む(インプット)だけでは学習の効率はあまり高いとはいえません。一度ざっと説明を読んだら実際に問題を解いてみる(アウトプット)ことが非常に重要です。なので、文法の勉強は教科書の代わりとなる講義本と問題集の両方を使って進めていくといいでしょう。
替え歌や語呂を駆使して覚える
助動詞の接続や用言の活用など、文法の学習は単純暗記が多いです。なので替え歌を作ってみたり呪文のように何度も口ずさむなど楽に覚えるための工夫をしてみるようにしましょう。
参考書の例としては『富井の古典文法をはじめからていねいに』や『岡本梨奈の1冊読むだけで古典文法の基本&覚え方が面白いほど身につく本』があります。まったく勉強したことがない人でも読めるよう、古典文法を基礎から徹底的に解説してくれている本でインプットしながら『やさしくわかりやすい古典文法』や『ステップアップノート30古典文法基礎ドリル』などのアウトプット用のドリルを使用します。このインプットとアウトプットを繰り返し行ってそれぞれを完璧にできれば大学受験に必要な文法事項は全て網羅できます。
④ 読解問題集のやりこみ
単語と文法を頭に入れたら次はこれらの知識を使って実際に問題を解いてみましょう。しかし、「問題を解く」といっても、ここでいきなり共通テストの過去問や予想問題に入るのはあまりおすすめできません。なぜなら、単語と文法を理解しただけでは共通テストの過去問のレベルには太刀打ちできないからです。まずは、習得した知識を問題の中で使っていく訓練をする必要があります。
この段階では『古文上達 基礎編 読解と演習45』のようなやや短めの文章を使う問題集で長文の読解力を養うようにしましょう。
ここで注意することは多くの参考書に手をつけず一冊を完璧にすることと解説を読んでも分からない部分は前の参考書に戻ることの2点です。
前の参考書も活用しながら進めていくことが大切です。「問題文を読んでいても全然入ってこない」「解説に書いてることがピンとこない」というような場合は、まだ単語や文法が理解できていない場合がほとんどです。その状態で問題集を進めても効率はあまりよくないでしょう。
なのでそのような場合はこれより前の段階で使った単語帳や文法問題集に戻って覚えなおすようにしましょう。また、長文を読むときの自分ルールの作成もこの段階でやるべきことです。例えば、筆者の場合は登場人物はすべて丸で囲っておく、傍線や和歌は品詞分解をして直訳しておくことを徹底していました。
知識面で抜けている穴を埋め、長文の読み方を学ぶことで読解力を養うことがこの段階での到達目標です。
⑤ 長文問題集のやりこみ
読解問題集まで終わらせたら標準的な長さの問題演習を行います。ただし、共通テストで高得点を狙うには次のステップ、「過去問のやりこみ」が非常に重要になってきます。時間がない場合はこの段階はスキップしても問題ありません。
時間がある場合は『大学入試問題集 岡本梨奈の古文ポラリス[1 基礎レベル] 』や『マーク式基礎問題集 古文』などの解説が詳しい長文問題集に取り組みましょう。
最初のうちは時間制限を気にせず、読めるかどうかの確認をすることが重要です。このときに、初見で半分以上落としてしまう場合は読解問題集以前の段階で穴があるといえるでしょう。そのときは、読解問題集を中心に今までの参考書に戻って抜けている個所をざっと復習するようにしましょう。
⑥ 過去問・予想問題のやりこみ
ここまで学習を進めたあなたは古文の基礎的な読解力が身についていることでしょう。いよいよ、過去問演習に入ります。この段階で使うのは、主にセンター試験の過去問、共通テストの過去問・試行調査問題、共通テストの予想問題の3つです。
これらの優先順位としては共通テストの過去問・試行調査問題、共通テストの予想問題、センター試験の過去問の順で取り組むようにしましょう。なぜなら、共通テストとセンター試験では資料問題の有無など異なる点があるため、共通テストに特化した問題をやりこむ必要があるからです。センター試験の過去問は問題が足りなくなったときに追加で取り組むようにしましょう。
この段階でやるべきことは目標点数と現時点での自分の力の距離を測ることです。毎回本番と同じような時間(古文であれば一般的に20分ほど)で解いてみて何点取れたのか、あと何点足りないのかを必ず記録するようにしましょう。それに加えて、復習も今までよりもさらに丁寧に取り組むことが求められます。
間違えた問題はもちろん、2択で悩むなどして微妙だった問題は印をつけておいて、たとえ正解していたとしても復習するようにしましょう。特に1年分しかない過去問は単語帳に載ってない単語はノートにまとめる、自分で全訳を置いてみる、制限時間を厳しくして解きなおすなど、とにかく使い倒すようにしましょう。1問1問から学べることをすべて学ぶようにしてください。
教材を正しく使って効率的な学習をしよう!
この記事では共通テスト古文について詳しく解説しました!
古文の性質をしっかり理解して効率的な学習をしていただきたいです。
受験勉強では「自分にとって必要な教材を計画的に正しいやり方で進めていく」ことが非常に重要になってきます。
しかし自分で計画的に進めていくのは非常に難しく、ほとんどの受験生が実践出来ていません。
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