東北大学経済学部のAO3期(総合選抜型)入試について科目、配点、合格ライン、対策などを含めて詳しく解説していきたいと思います。東北大学経済学部は非常に難関ですが得手不得手や共通試験の結果によってはAO3期での入試の方が合格可能性が高くなることもあります。東北大学経済学部の受験を考えるすべての人に読んでいただきたいです。
東北大学経済学部のAO3期(総合型選抜)とは、簡単に説明すると
- 共通試験の点数
- 志望利用書
- 提出書類
この三点のみで受けることができるAO入試のことです。
今年度は2/13に面接が行われ、2/15に合格発表がありました。
難解な2次試験を受けることなく、前期試験の10日前には合格を決めることが可能です。
ただ、合格した際はやむを得ない理由を除き必ず東北大学経済学部に進学する必要があります。
さらに詳しく見ていきましょう。
出願資格、要件,基準
まずは出願資格から見ていきましょう。
出願資格は2つ。下は今年募集要項からの抜粋です。
① 高等学校又は中等教育学校を令和 2 年(2020 年)3 月から令和 3 年(2021 年)年 3 月ま
でに卒業又は卒業見込みの者募集要項
② 文部科学大臣が高等学校の課程と同等又は相当する課程を有するものとして認定又は指定した在外教育施設の当該課程を令和 2 年(2020 年)3 月から令和 3 年(2021 年)3 月まで
に修了又は修了見込みの者
いろいろと書いていますが、平たく言えば「高校3年生以上の人」ということです。浪人生や、再受験の方も受験することが出来ます。
次に募集募集要件です。
募集要件は2つで、この2つを必ず満たさなければいけません。これも今年の募集要項から抜粋です。
① 本学教育学部での勉学を強く志望し,合格した場合には必ず入学することを確約できる者
② 令和3年度(2021年度)大学入学共通テストにおいて,指定する教科・科目を受験した者
つまり、合格したら必ず入学すること、そして共通試験で指定の教科を受けていることです。
合格したら必ず入学するということは、例えば私立で早稲田や慶應に受かったとしても100%東北大学を選ばなきゃいけないということです。合格辞退をすることは認められていません。
2つ目の指定教科、科目については下の表をご覧ください。
一番右が経済学部(文系)です。いろいろ書いてはいますが、簡単にいうと「国語(現古漢)」「英語」「数学1A」「数学2以外の数学」「世界史B、日本史B、政経倫理」「理科基礎を2科目or基礎じゃないの1科目」を共通試験で受験していれば、受験することが出来ます。
もともと国公立大学、特に東北大を目指してる方には大きな影響はないかと思います。ただ経済学部だけが外国語を英語以外での受験を認めていません。
次に出願基準です。
下は今年の募集要項からの抜粋です。
① 本学の教育目標を高い水準で達成できる十分な学力を有すること。
② 本学の教育理念に照らし,人物的に優れていること。
③ 経済と社会の問題に対して特に強い関心を持ち,論理的な思考能力とコミュニケーショ
ン能力を有すること。
以上の点で,学校長から高い評価を得ている者
抽象的ではありますが、東北大学経済大学が求める生徒像ということですね。この基準は後述の面接についての説明でもう一度触れますが、出願にあたっては特に影響はないのでここではあまり触れません。
東北大学経済学部AO3期(総合型選抜)の選抜方法
次に見ていきたいのは試験内容です。
冒頭で説明した通り、共通試験の点数、面接、提出書類の3つで判断されます。
一次試験と二次試験があり、一次試験は共通テストの点数のみで判断されます。一次試験を突破した受験生だけが二次試験の面接に進むことが出来ます。
配点は以下の表の通りです。一つ一つ見ていきましょう。
1.共通試験の点数
配点が一番大きいのがこの共通試験の点数です。当然といえば当然で面接や出願書類ではなかなか点数差をつけることが難しいです。
またこの共通試験の結果によっては一次試験を突破することが出来ません。実際はこの共通試験の点数がしっかりと取れていれば合格できるといっても過言ではないでしょう。(面接で相当にミスをしない限り)
では何点くらいの点数を取らなければいけないのでしょうか?
ちなみに東北大学の前期試験の今年のボーダーは79%でした。
合格者の点数を見てみると84.5%、86%とやはりボーダーと比べても高得点を取っている方が多いです。(コーチングプラスの今年の合格者も84.5%でした。)
東北大学における圧倒的な実績を持つ河合塾仙台校でもボーダー+4~5%からが合格圏内という話をされました。
つまりボーダーが80%の年は84%~85%、ボーダーが75%の年は79%~80%を取っていれば十分に合格できるということです。
2.面接
一次試験を突破した受験生だけが受けることができるのがこの面接です。
面接は1人当たり20分ほど行われ、出願書類の中の志望理由書の内容や一般的によく問われるような質問をされます。
配点もそこまで大きいわけではなく、前期試験の直前に行われる試験であることから、一般的なAOや推薦のような面接の内容によって大きく評価が分かれるようなものではなく、あくまでもコミュニケーション能力や学問への関心や大学生活への意欲を確かめる試験の意味合いが強いです。
高圧的な厳しい質問をされる面接ではなく、どちらかといえば受験生の考えや意見を聞き出そうとするような面接です。
今年の受験生から聞いた質問内容は以下の通りです。
- 志望理由
- 大学で勉強したいこと
- 高校時代頑張ったこと
3.出願書類
最後に出願書類についてです。
面接の点数の中に含まれるということですが、募集要項には以下のように記述しています。
出願書類については,高等学校の教科成績のほか,学校内外の様々な学習成果や活動実績,資格等(英語の資格・検定試験など)を評価します。
学校の成績や部活やボランティア活動、資格などが評価されるようです。
しかしこれも面接の点数の一部ということになるので大きな影響があるということは考えにくいです。高校の成績が悪かったからと言って諦める必要は一切ありません。
東北大学経済学部のAO3期(総合型選抜)はどんな人が受けるべき?
ここまでAO3期について解説してきた内容を読めばなんとなく勘づいている方も多いと思いますが、基本的にはこのAO3期には受けない理由がありません。
共通試験の点数がしっかりと取れていたら特別に時間かけて対策する必要もなく、多くの人に合格の可能性があるからです。
ボーダーよりも低い点数だった場合は確かに可能性は薄いですが、ボーダー以上の点数があれば合格の可能性は十分にあると思います。
東北大学の前期試験の問題はかなり難しいと思います。本番苦手な分野が出題されたり、緊張していつも通り解けないなんていう事態は起こっても当然です。
そんな前期試験に比べてこのAO3期は非常にローリスクです。
また仮に落ちたとしても、受験のために東北大学に行き前期試験の前に会場の雰囲気になれることが出来るので他の受験生に比べてアドバンテージを得ることが出来ます。
共通試験で東北大学経済学部のボーダー以上の点数を取った方は絶対に受けてほしいです。
東北大学経済学部のAO3期(総合型選抜)の対策
1.共通試験対策
先ほども述べたように共通試験の配点が最も大きく、そもそもしっかりと点数を取らないと一次試験すら突破できません。
そのためボーダーの点数ではなく、ボーダー点数+4~5%を目指して普段から勉強しましょう。
この記事を読んでいる方の現在の得点率は多種多様だと思いますが、まずは基礎的な部分の勉強をしっかりと行い、模試や過去問で80%を取ることが出来るようになるまでは下手に前期試験対策をしない方が良いです。
東北大学経済学部の前期試験の共通試験と前期試験の配点は600:600であることから、前期試験のことを考えても共通試験は非常に重要です。
まず模試や過去問で安定して80%を超えることを目指しましょう。
前期試験がある分、国数英に時間をかけてしまうと思いますが、社会理科は勉強量の割に高得点を取ることが難しくないです。
そして社会理科で点数が取れると模試の結果も安定しますし、成績が上がればモチベーションもアップします。そうやって勉強のモチベーションが高まった状態で国数英に力を入れれば国数英の成績も徐々に上がると思います。
共通試験の点数で伸び悩みを感じている方は社会理科の勉強量を増やすことをおすすめします。
2.面接対策
質問は志望書の内容や、一般的な面接での質問をしれます。面接は配点も低く、大学側も十分な対策ができないことを知っているのであまりガチガチに対策をする必要はありません。
大事なのは募集要項の出願条件にもあった、
① 本学の教育目標を高い水準で達成できる十分な学力を有すること。
② 本学の教育理念に照らし,人物的に優れていること。
③ 経済と社会の問題に対して特に強い関心を持ち,論理的な思考能力とコミュニケーション能力を有すること。
これに当てはまるかどうかです。
①は共通試験の点数で判断されるとして、②の教育理念とは以下の通りです。
経済学部
経済学部は,経済学と経営学の融合教育を通じて,人間や社会の事象について知的探求能力を持ち,
現代社会が直面する問題の解決に貢献できる指導的人間の養成を目指します。そのため,十分な基礎学力,論理的な思考能力,経済と社会への関心,社会への貢献意欲を持つ人を求めています。
数理的分析手法を重視する近年の教育・研究の動向を踏まえて入試区分を見直し,人文社会科学的な方法論を軸に経済学・経営学を学ぶ学生を選抜する従来の文系入試に加え,自然科学的思考に強く数理的手法を駆使することができる学生を受け入れる理系入試を設けています。
募集要項
簡単に言えば経済学や経営学に興味・関心があり、社会的な問題を解決するための能力がある人。
このような人を東北大学経済学部は求めているようです。
このことを意識して志望理由書を書き、そこから派生した質問に対しても論理的に答え、社会問題への関心や意欲、そして東北大学でやりたい活動や学びたいことに繋げていけば失敗することはないでしょう。
東北大学経済学部のAO3期(総合型選抜)の受験を考えている方へ
ここまでの解説でAO3期入試についてある程度知識がついたと思います。だからこそ「共通試験で高得点が取れるか心配」という方や「どうやって勉強すれば東北大学に合格できるかわからない」という方も多いかと思います。
コーチングプラス+では今年、東北大学経済学部 1名 東北大学法学部 1名 名古屋大学経済学部 1名と3人のAO3期での合格者が出ています。合格率は100%です!
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東北大学経済学部AO3期(総合型選抜)募集要項